神戸製鋼所と言えば日本の大手鉄鋼メーカーである。
鉄鋼事業の他にも電力関連事業や機械関連事業なども多くの事業を手掛けている。
そんな神戸製鋼所のアルミ・銅事業部門で検査データの改ざんをしていたことがわかった。
出荷されていたのは様々な分野であり、MRJにも使われているという。
日本のモノづくりへの信頼が揺らぐ事態になるかもしれない。
・データ改ざんをしていた製品
神戸製鋼所はHP(当社が製造したアルミ・銅製品の一部に関する不適切な行為について|KOBELCO 神戸製鋼)にてデータ改ざんについて報告している。
この報告から、データ改ざんについてわかったことをまとめると以下の通りとなる。
主な製品:アルミ板・アルミ押出品・銅板条・銅管及びアルミ鋳鍛造品
出荷期間:2016年9月1日~2017年8月31日
数量:アルミ製品(板・押出品)約19,300トン
銅製品(板条・管) 約2,200トン
アルミ鋳鍛造品 約19,400個
これらの製品の出荷先には、神戸製鋼所が連絡し説明しているという。
そして、品質影響について技術的検証を行っていくとのことだ。
現在のところは安全性に疑いがあるような問題は確認されていないという。
・影響や今後
神戸製鋼所によると、このデータ改ざんによる業績への影響は不明とのことだ。
しかし、業績に大きく影響することは免れないだろう。
とくに、信頼という点において大きくマイナスとなる。
また、今後は神戸製鋼所の川崎博也会長兼社長を委員長として品質問題調査委員会を設置。
さらに外部法律事務所に対し、データ改ざんについての事実関係の調査を依頼している。
こられの調査の結果から、データ改ざんの実態について解明されていくだろう。
さらに、他事業部門でもデータ改ざんがなかったかも調査しているとのことだ。
もし他事業部門でもデータ改ざんがあったとしたら、大きな影響を与えそうである。
・組織ぐるみのデータ改ざん
神戸製鋼所によるデータ改ざんは組織ぐるみの可能性が高い。
データ改ざんにより、梅原尚人副社長が会見を開いている。
この会見では、管理職を含む数十人が改ざんに関与・黙認していたというのだ。
これは組織ぐるみのデータ改ざんだったといっても過言ではないだろう。
組織ぐるみだった場合、他事業部門でもデータ改ざんがあった可能性もある。
また、神戸製鋼所の体質がデータ改ざんを生んでいるのだろう。
実は昨年も神戸製鋼所はデータ改ざんが発覚しているのだ。
神戸製鋼所の組織的な体質改善をしなければ、今後も同様の問題が発生するだろう。